Accept News~パタキ先生が共著者として参加された論文がJournal of Biomechanicsに採択されました~
Accept News!!
パタキ先生が共著者として参加された論文がJournal of Biomechanics (IF: 2.4)に採択されました。
Knee abduction moment waveforms and effect sizes during sidestepping interventions: A critical perspective to inform adequately powered future studies.
Journal of Biomechanics (IF: 2.4)
研究概要:
サイドステップ動作中の膝外反モーメント(Knee Abduction Moment: KAM)は、前十字靭帯(ACL)損傷リスクを低減するための介入研究において、主要な標的指標として多く選択される。KAMは、サイドステップ動作の開始から終了まで連続的に変化する「波形 waveform)」として測定されることが多い。KAM研究では統計的検出力(statistical power)解析が広く用いられているが、これらの研究はすべて単純なスカラー値データを前提とする従来型の手法を採用しており、波形データを対象としたものではない。本研究の目的は、波形レベルの効果および波形レベルの検出力という観点から、KAM研究における統計的検出力を批判的に検討することであった。まず、系統的文献検索を実施してスカラーKAM効果量を定量化したところ、「統計的に有意」とされる効果量は研究間で大きく異なり、小から大まで幅広い範囲に分布していた。次に、既存の文献に掲載されたKAM波形をデジタル化し、代表的なKAMプロファイルとその分散を算出した。最後に、介入研究から得られたKAM波形効果量を入力として、波形レベルの検出力解析を実施し、この波形効果を正確に検出するために必要なサンプルサイズを算出した。その結果、日内(within-day)および長期(long-term)介入効果を正確に明らかにするために必要なサンプルサイズは、それぞれ255および360であった。これらのサンプルサイズは、現在の文献で一般的に用いられている約10〜20例という規模を大きく上回るものである。本研究の結果は、KAMが介入研究の主要アウトカム指標として設計・評価されるべきではないこと、特に小規模サンプルの研究においては不適切であることを支持するものである。


