研究紹介Research introduction

Hip Biomechanics and Function Initiative
股関節周囲筋に関する研究
Iliocapsularisに関する研究

股関節周囲筋に着目した研究を行っています。超音波やMRIを用いて、iliocapsularisの運動学的な作用や加齢変化などの基本的な情報や、筋と関節包靱帯の相互的な関係といったバイオメカニクスを明らかにしました。得られた研究成果をもとに、臨床応用を見据えた評価法や介入法の開発を目指しています。
関節内運動や関節包靱帯に関する研究
股関節内運動に関する研究

腸骨大腿靭帯のシミュレーション研究

関節内運動や関節包靱帯に着目した研究を行っています。MRIなどで撮像した股関節を3次元化して関節内の微細な運動や、筋骨格モデルを用いて靱帯の張力をシミュレーションした際の歩行に与える影響を検証しています。
変形性股関節症および寛骨臼形成不全患者の病態進行や関節負荷増加に関わる動作や股関節不安定性の特徴解明

寛骨臼形成不全や変形性股関節症患者を対象とした臨床研究にも取り組んでいます。VICONや慣性センサーを用いて歩行を含めた動作解析、Spinal mouseを用いて姿勢の測定を行います。また、超音波を用いて筋の大きさや脂肪浸潤、硬さを計測したり、筋力計を用いて股関節筋力を測定します。これら様々な測定結果から、寛骨臼形成不全や変形性股関節症の発症や進行に関連する身体機能を解明することを目指しています。
Knee Biomechanics and Function Initiative
変形性膝関節症患者の筋変性特徴に基づく病態メカニズムの解明

変形性膝関節症(膝OA)患者における筋変性に着目し、骨格筋MRIを用いて形態的特徴を詳細に解析し、機能障害との関連を検証しています。また、functional-MRIを含む脳画像解析により、疼痛と関連する脳の構造的・機能的変化の解明も進めています。さらに、神経的要因としての筋活動評価を通じて、形態的要因と統合的に捉えることで、膝OAにおける機能障害の病態メカニズムを多角的に解明することを目指しています。これらの形態的・神経的要因が運動介入によって改善されるかを明らかにするため、臨床介入研究も実施しています。特に、効果的なトレーニング方法の開発とその有効性の検証を通じて、膝OAの発症予防や進行抑制に資する包括的な研究に取り組んでいます。
膝関節周囲筋・関節構成体のバイオメカニクスの検証

膝関節周囲の骨格筋や靭帯、関節構成体の形態学的特徴やバイオメカニクス的特性に着目した研究を進めています。超音波画像装置やMRIなどの様々な機器を用いて、健常若年者から高齢者、関節疾患を有する患者まで幅広い層を対象に評価・検証を行っています。これらの研究で得られた知見をもとに、臨床的に有用な評価方法の開発や効果的な介入手法の構築を目指しています。
力学的特徴に基づく患者個別化治療に向けた臨床研究

多岐な病態を特徴とする膝OAに対し、個別化治療の実現を目指し、力学的特徴に基づく臨床研究を進めています。機械学習を用いた症候性膝OAの臨床予測スコアの開発、SPM解析による足圧分布の特徴抽出、歩行時の筋活動を対象とした筋シナジー分析など、多角的なアプローチにより運動機能の評価を行っています。さらに、足部形態や動作特性といった患者個別の特徴に基づいたパーソナルインソールの設計や、個別化介入を検討するための患者固有モデルの構築にも取り組んでいます。
Muscle Structure and Dynamics Initiative
筋・関節の柔軟性に対する効果的なストレッチング方法の開発

超音波画像装置のせん断波エラストグラフィー機能を用いて、筋や腱、神経などの個別組織の硬さを定量的に評価しています。また、ダイナモメーターによる受動トルク計測を通した関節柔軟性の評価も行っています。このような評価を通して、関節の柔軟性変化のメカニズム解明や各筋に対する最適なストレッチングプロトコルの開発、筋の柔軟性改善に向けたストレッチング+αの手法の探索を行っています。
筋機能に関連する要因の解明 ~効果的なトレーニングの確立を目指して~

超音波画像装置を用いた収縮中、または収縮前後の筋の形態的・機械的特性の評価を実施しています。さらに、筋肥大を予測する指標である筋腫脹を電気インピーダンス計を用いて評価しています。これらの評価を通して、高い筋パフォーマンス発揮のために必要な筋収縮の動態解明や筋機能向上のための最適なトレーニング戦略の立案を狙っています。
運動制御や姿勢制御に関連する神経学的要因の解明

高密度表面筋電図を用いた運動単位の時間的および空間的評価を通して、運動単位の可視化を行っています。この取組により、運動制御や姿勢制御における熟達方法の立案や神経学的側面から最適なトレーニング戦略の開発に挑んでいます。
Human Movement and Posture Initiative
脊柱モニタリングデバイスの開発

マーカーレスモーションキャプチャーと慣性センサを用いた脊柱モニタリングシステムの開発を進めています。研究における動態解析はもちろん、臨床現場での姿勢評価やリハビリ支援、在宅でのセルフモニタリングにも対応可能な簡便・非侵襲な計測手法を目指しています。
姿勢と身体機能との関連

頭頸部や脊柱のアライメントと身体機能との関連性を研究しています。筋特性や筋活動、肩甲骨運動、衝撃吸収能力など、多様な機能指標との関係を明らかにすることで、姿勢と運動機能の統合的理解を目指しています。
統計形状モデリングを使用した足部形状の特徴抽出

足底圧や3次元足形の計測データを用いて、2次元・3次元の足部形状を解析しています。統計形状モデリングや主成分分析、クラスター分析を通じて、膨大な点群データから足部の特徴量を抽出し、新たな足部評価指標の探索を行っています。