京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 リハビリテーション科学コース
臨床バイオメカニクス研究室

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Accept News ~上田客員研究員(宝塚医療大学)の論文がClinical Journal of Sports Medicineに採択されました~

2024年09月19日

Accept News!!

上田客員研究員(宝塚医療大学)の下肢柔軟性と投球障害肩・肘との関連についてのシステマティックレビューがClinical Journal of Sports Medicine(IF:2.1)に採択されました。

 

Is decreased hip flexibility a risk factor for arm injuries in young baseball players?: Systematic review and meta-analysis

 

Yasuyuki Ueda, Masashi Taniguchi, Taiga Noda, Souta Minaguchi, Noriaki Ichihashi 

 

研究の概要​:

投球障害肩・肘に関連する因子として投球動作時の運動学的パラメーターや関節可動域、筋力などが報告されているが、下肢柔軟性と投球障害肩・肘との関連については明らかではありません。そこで本研ではは、メタアナリシスにより投球障害肩・肘と下肢柔軟性との関連を明らかにし、投球障害肩・肘のリハビリテーションに有益な情報を示すことを目的としました。5つのデータベース(MEDLINE、Web of Science、CENTRAL、Scopus、PEDro)からMindの方法に従いメタアナリシスを実施し、Risk of Bias、Heterogeneityについても評価をしました。包含基準として投球障害肩・肘、野球、他動的な下肢の関節可動域とし、野球以外の競技や、肩・肘以外の障害、投球動作の運動学的データについては除外しました。その結果12編の論文が包含基準に合致し、11編の報告からメタアナリシスを行いました。メタアナリシスの結果、ステップ側股関節内旋角度は横断研究(P=0.04)、コホート研究(P=0.02)ともに有意差がみられ投球障害肩・肘を有する選手では可動域が小さい結果となりました。また、軸足股関節内旋角度についても横断研究で有意差がみられ(P=0.04)、ステップ脚と同様の結果でした。股関節外旋可動域やStraight Leg Risingについてはメタアナリシスで投球障害肩・肘を有する選手とコントロール群に有意な差はみられませんでした。た。本研究ではメタアナリシスを用い、股関節内旋可動域制限が投球障害肩・肘を有する選手に多いことを明らかとした。ただし、その他の下肢柔軟性については報告が少なく投球障害肩・肘と関連がないと結論するのは早計かもしれません。

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