京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 リハビリテーション科学コース
臨床バイオメカニクス研究室

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Accept News ~研究室OB 正木先生(新潟医療福祉大学)との共同研究がClinical Spine Surgeryに採択されました~

2019年01月17日

Accept News!!

 

研究室OB正木先生(新潟医療福祉大学)の論文がClinical Spine Surgery (IF 1.987) に採択されました。

 

Association of pain history and current pain with sagittal spinal alignment and muscle stiffness and muscle mass of the back muscles in middle-aged and elderly women

M Masaki, T Ikezoe, K Yanase, Xiang Ji, J Umehara, J Aoyama, S Minami, Y Fukumoto, Y Watanabe, M Kimura, N Ichihashi

 

研究の概要:

これまで筋硬度を個別の筋に分けて定量的に評価することが困難であったため、腰痛患者における腰背部筋の筋硬度は明らかにされていなかった。近年、超音波画像診断装置のせん断波エラストグラフィー機能 (SWE) を用いることで筋硬度を定量的に評価することが可能となったが、中高齢女性の腰痛と背部筋の筋硬度との関連は明らかにされていない。また、腰痛患者のみならず、過去に腰痛があり現在は治まっている腰痛既往者の身体特性を明らかにすることが求められているが、腰痛既往と立位姿勢アライメント、背部筋の筋硬度および筋量の関連については明らかにされていない。本研究の目的は超音波画像診断装置のSWEを用いて、中高齢女性における背部筋の筋硬度を測定し、腰痛既往、腰痛と姿勢アライメント、背部筋の筋硬度および筋量との関連について検討を行うこととした。地域在住の中高齢女性58 名を対象とし、健常群19名、腰痛既往群16名、腰痛群23名に群分けした。スパイナルマウスを使用して、安静立位、安静腹臥位での胸椎後彎角度、腰椎前彎角度、仙骨前傾角度を算出した。SWEを有する超音波画像診断装置を使用し、背部筋の筋量評価として、安静腹臥位での胸・腰部脊柱起立筋、腰部多裂筋、腰方形筋の筋厚を測定した。また、背部筋の筋硬度評価として、安静腹臥位での腰部脊柱起立筋、腰部多裂筋の弾性率を測定した。多重ロジスティック回帰分析を用いて、腰痛既往、腰痛と姿勢アライメント、背部筋の筋硬度および筋量、年齢、身長、体重との関連を検討した。腰痛既往と有意な関連のある要因として、腰部多裂筋の筋硬度のみが抽出された。腰痛既往群は健常群よりも安静腹臥位での腰部多裂筋の筋硬度が高かった。腰痛と有意な関連のある要因として、安静立位での腰椎前彎角度が抽出された。腰痛群は健常群よりも安静立位での腰椎前彎角度が小さかった。地域在住中高齢女性における腰痛既往には腰部多裂筋の筋硬度、腰痛には安静立位での腰椎前彎が関連することが示唆された。

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