京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 リハビリテーション科学コース
臨床バイオメカニクス研究室

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Accept News ~研究室OB 正木先生(新潟医療福祉大学)の論文がEuropean Journal of Applied Physiologyに採択されました~

2019年02月12日

Accept News!!

 

研究室OB正木先生(新潟医療福祉大学)の論文がEuropean Journal of Applied Physiology (IF 2.401)に採択されました。

 

Effects of the trunk position on muscle stiffness that reflects elongation of the lumbar erector spinae and multifidus muscles: An ultrasonic shear wave elastography study

 

M Masaki, X Ji, T Yamauchi, H Tateuchi, N Ichihashi

 

研究の概要:

これまで筋硬度を個別の筋に分けて定量的に評価することが困難であったため、腰部脊柱起立筋や腰部多裂筋の効果的なストレッチング方法は明らかにされていない。しかし、超音波画像診断装置のせん断波エラストグラフィー機能 (SWE) を用いることで、筋硬度の指標である弾性率を個別の筋において定量的に求めることが可能となった。本研究の目的は、超音波画像診断装置のSWEで測定した弾性率を用いて、腰部脊柱起立筋と腰部多裂筋における筋の伸張を反映する筋硬度を定量的に評価し、体幹姿位が腰背部筋の筋硬度に及ぼす影響を明らかにすることとした。対象は健常若年男性10名とした。SWEを有する超音波画像診断装置を使用し、測定の対象筋を左側の腰部脊柱起立筋、腰部多裂筋とした。腰部脊柱起立筋は、(1) 安静腹臥位(Rest)(2) 正座にて体幹を4045°屈曲して腰背部筋を伸張した姿位 (Flexion)(3) Flexionの肢位から体幹を30°右側屈した肢位 (Flexion-Lateral Flexion)(4) Flexionの肢位から体幹を30°右回旋した肢位 (Flexion-Rotation 1) において弾性率を測定した。左腰部多裂筋は、(1) (3) の肢位と、(5) Flexionの肢位から体幹を30°左回旋した肢位 (Flexion-Rotation 2) とした。腰部脊柱起立筋、腰部多裂筋における各測定肢位の弾性率について、Bonferroni法またはBonferroni補正による多重比較を用いて比較した。腰部脊柱起立筋の弾性率は、Flexion-Lateral FlexionRestFlexionFlexion-Rotation 1よりも有意に高かった。腰部多裂筋の弾性率は、FlexionFlexion-Lateral FlexionFlexion-Rotation 2Restよりも有意に高かった。また、FlexionFlexion-Lateral FlexionFlexion-Rotation 2の間に有意な差はみられなかった。腰部脊柱起立筋は体幹屈曲に体幹反対側側屈を加えることで、効果的に伸張されることが示唆された。また、腰部多裂筋は体幹屈曲に体幹側屈や体幹回旋を加えることの影響は少なく、体幹屈曲のみで効果的に伸張されることが示唆された。

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