京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 リハビリテーション科学コース
臨床バイオメカニクス研究室

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Accept News ~研究室OB 正木先生(新潟医療福祉大学)との共同研究がGait & Posture に掲載されました~

2018年09月7日

Accept News !!

 

研究室OB 正木先生(新潟医療福祉大学)の論文がGait & Posture (IF: 2.273)に掲載されました。

 

Back muscle activity and sagittal spinal alignment during quadruped upper and lower extremity lift in young men with low back pain history.

Masaki M, Tateuchi H, Koyama Y, Sakuma K, Otsuka N, and Ichihashi N.

 

PMID: 30212781

DOI: 10.1016/j.gaitpost.2018.09.002

 

研究の概要:四つ這い位での上下肢挙上は腰痛患者や腰痛既往者において,腰部多裂筋トレーニングとして実施されている。しかし,腰痛既往者がこのトレーニングを実施している際の背部筋の筋活動や脊柱の矢状面でのアライメントは明らかにされていない。本研究の目的は,若年腰痛既往者を対象に,四つ這い位での上下肢挙上中の背部筋の筋活動量および姿勢アライメントを分析することとした。対象は若年男性17名とし,健常群9名,腰痛既往群8名に群分けした。四つ這い位で対角線上に上下肢を挙上し,この肢位にて表面筋電図を使用して上肢挙上側,下肢挙上側での腰部多裂筋,広背筋・胸部脊柱起立筋,腰部脊柱起立筋の筋活動量を測定した。また,6 自由度3次元磁気センサーを用いて,この肢位における矢状面での上位・下位胸椎屈曲角度,腰椎伸展角度を測定した。腰痛既往と関連する要因を検討するために,腰痛既往を従属変数,上肢挙上側,下肢挙上側での背部筋の筋活動量,姿勢アライメント,年齢,身長,体重を独立変数とした,変数増加法による多重ロジスティック回帰分析を行った。腰痛既往との関連において,多重ロジスティック回帰分析 (モデルχ2値p = 0.0002) で抽出された要因は,下肢挙上側での広背筋・胸部脊柱起立筋の筋活動量 (オッズ比: 8.04),身長 (オッズ比: 2.12)であった。腰痛既往群は健常群よりも下肢挙上側での広背筋・胸部脊柱起立筋の筋活動量が高く,身長が高かった。若年腰痛既往者において,四つ這い位での上下肢挙上中に腰部多裂筋の筋活動量減少や過剰な腰椎伸展は生じていないが,広背筋・胸部脊柱起立筋といった体幹表面筋の筋活動量が増加していることが示唆された。

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