京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 リハビリテーション科学コース
臨床バイオメカニクス研究室

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Accept News ~Pataky准教授の論文がJournal of Biomechanicsに採択されました~

2018年11月19日

Accept News !!

 

Pataky准教授の論文がJournal of Biomechanics (IF: 2.481)に採択されました。

 

① Bayesian inverse kinematics vs. least-squares inverse kinematics in estimates of planar postures and rotations in the absence of soft tissue artifact
Pataky TC, Vanrenterghem J, Robinson MA

 

研究の概要:ヒト運動を計測するには反射マーカーを上肢・下肢等に付け、計測したマーカーから身体運動を計算することが可能になる。しかし、マーカーを正確に計測できない場合には、被験者の運動を正しく計算できない。従来、マーカーエラーへの対応は、工学分野のエラー最適化アルゴリズムを用いるが、本研究では統計学のベイズ法を用いて従来方法と比較した。数値シミュレーションを用い、比較的単純な運動であっても、ベイズ法は従来方法より10倍ほど正確に計算できることを明らかにした。ベイズ法は、計算量が従来方法よりも複雑であるが、精度が高いため、ヒト運動を計測する際には使用することが推奨される。

 

② Smoothing can systematically bias small samples of one-dimensional biomechanical continua
Pataky TC, Robinson MA, Vanrenterghem J, Challis JH

 

研究の概要:ヒト運動を計測する際には、反射マーカーを完全には計測できないため、実際の運動がスムーズであってもマーカーエラーの影響で運動の滑らかさが損なわれることがある。急激な運動の変化等を計測したデータからマーカーエラーを削除するには、スムージングアルゴリズムを使用し、実際の滑らかさに近づくようにデータ処理を行うことが従来方法である。しかし、このスムージングによって計測された運動と本来の運動が異なるかは明らかではない。本研究では、数値運動シミュレーションを行い、決定した運動パターンにマーカーノイズを加え、スムージングした結果が決定した運動と統計学的に違うかを検討した。その結果、どのようなスムージングアルゴリズムや運動パターンであっても、マーカーノイズを加えると元の運動との間に統計的有意差を認めた。元の運動との絶対差が臨床的には大きくなかったが、臨床研究では統計的有意差で運動変化を判断するため、スムージングアルゴリズムを使用した場合には運動の解釈に注意する必要がある。

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